
今年も開催された年に一度の「また来たい」No.1を決める祭典、F-1GRAND PRIX(以下F-1グランプリ)。店舗部門では、約1年間「また来たい」に関して、様々な指標を用いて全店舗でランキング。最も「また来たい」を創り出した代表8店舗を各業態から選出。そしてF-1グランプリの当日に、最優秀店舗の座をかけて成果発表会でプレゼンテーションでバトル!!第二位に選ばれた、大衆酒場 酒呑んで飯食って蛙之介 野毛店(以下、野毛店) 店長の藤原さんに、「また来たい」につながる取り組みやエピソードを語っていただきました。【前編はこちら】
大衆酒場ならではのテンポを絶対に崩さない
普通の居酒屋と比べても、大衆酒場の流れはとにかく早いです。レストランだと10分待てるお客さんが、居酒屋では5分~8分くらいしか待てない。それが大衆酒場ともなれば、5分も待てないんです。ましてや、野毛店に関してはそれ以上。
まずはこのテンポの中で、ブランドコンセプトの体現を目指し、当たり前のオペレーションをしっかりこなす、CSQ(C:クレンリネス、S:サービス、Q:クオリティ)などの基礎を徹底するということを意識してきました。
例えば、忙しくて5分以内に提供できなかったメニューがあったとしても「これはしょうがないな」とは絶対にしない。それが、一日に何百食と出るうちの一品だとしても「おいおい、ちょっとちょっと」と。まずは店長である自分が、そういった「安くて早くて旨いお店」にこだわりを持って体現し続けて、それを口にし続けてきました。結果、その姿を見て、他のスタッフたちもしっかりついて来てくれたことが、現在の強さにつながっていると自負しています。
「もっと~したい」を生み出すことが「また来たい」につながる
野毛店では、店内に“絡まれネタ”が散りばめられていて、ここに反応があるかどうかで、そのお客さんがしゃべりたいと思っているか思っていないかのある程度の見分けをするようにしています。そこで反応があったお客さんに対して絡んでいくのが基本ですが、ここで必要以上に絡みすぎないことが実は重要。
それは「忙しい中で一組のお客さんばかりに時間をかけられない」ということもありますが、それ以上に、絡みすぎてそれで「満足したからもういいや」と思ってほしくないからです。お客さんが「まだもうちょっと絡みたい」と思えるタイミングで、スーッとフェードアウトするというのが大事なポイント。メニューに関しても、のすけには「もっと食べたいな」と思えるメニューが多くありますが、こういった「もっと~したい」とお客さんに思っていただくことが、「また来たい」にもつながっています。
ファイブの勝ちパターンで土台をつくり、ブランドに合わせて変化させた
ファイブの「5大基本項目」や「また来たいをつくるための方程式」など、ハンドブックに載っている勝ちパターンをまず全て徹底することは、業態全てに共通することだと思います。なぜなら、まずこれに取り組まなければ、何がこのブランドで通用するかしないかを検証することもできないからです。検証をして初めて、「ここのブランドにはこのファイブの勝ちパターンは当てはまらない」とわかる。
例えば野毛店では、声出しを大きくしすぎると、お客様が嫌がってしまうということがわかったため、何十年もファイブグループがやってきた声出しの方法を変えました。勝ちパターンをまずは徹底したうえで、お客さんのニーズに合わせてそれを柔軟に変化させる。それが、結果としてブランドの勝ちパターンになっていくのだと思うんです。
“接客業”ではなく“接着業”をしよう
顔見知りのお客さんがいらした場合、野毛店では、全スタッフが必ず挨拶をしにいくようにしています。言葉通り、一人ひとり全員です。これは当たり前のようで、なかなかできないこと。このコミュニケーションがあることで、野毛店は、その方にとって、生活の一部や居場所になっていくんです。実際に、1人でいらっしゃるお客さんが多いことも、野毛店のひとつの特徴。その方々のなかには、「野毛店があってよかった」と思ってくれているお客さんもきっと多い、と自負しています。
「誰々に会いに来た」と、特定のスタッフ目当てでお店に通ってくれるお客さんがいます。でも、これは言い換えれば、まだお店のお客さんではないということ。どうすればいいのか、を考えたスタッフさんは、自分目当てのお客さんを全てのスタッフにつなぐことで、そのお客さんをお店のお客さんにしていきました。
今でも、そのお客さんとは全員が名前を呼び合うくらい仲のいい関係が続いています。ファイブグループには、“接客業ではなく接着業をしよう”という考え方がありますが、この例は、接着がうまくできた一つのケースと言えるのではないでしょうか。
【受賞コメント】しっかりと受け止めて次につなげる
(藤原さん)何文字以内で伝えたらいい?全部伝えたら6000文くらいになるけど。6000文ね、6000文字じゃなくて。二位だけど、これ以上、なんかやれることありましたか?って言ったら、ないです。なのでもうしっかり受け止めて、次につなげます!
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