
今年も開催された年に一度の「また来たい」No.1を決める祭典、F-1GRAND PRIX(以下F-1グランプリ)。F-1グランプリ2019の店舗部門では、約1年間「また来たい」に関して、様々な指標を用いて全店舗でランキング。最も「また来たい」を創り出した代表8店舗を各業態から選出し、F-1グランプリの当日に、最優秀店舗の座をかけて成果発表会でプレゼンテーションバトル!!第二位に選ばれた、大衆酒場 酒呑んで飯食って蛙之介 野毛店(以下、野毛店) 店長の藤原さんに、「また来たい」につながる取り組みやエピソードを語っていただきました。
地域の人に愛され続ける安くて早くて旨い大衆酒場
「地域の人に愛され続ける安くて早くて旨い大衆酒場をお客さんとスタッフと共につくっていく」をブランドコンセプトに、ファイブグループ初の大衆酒場ブランドとして、“都度感”を大事にした接客やサービスを展開しているのが「酒吞んで飯食って蛙之介」です。
“都度感”とは、言い換えれば“ちょうど良さ”のこと。お客さんの会話を遮断することなく、「これ美味しいので食べてみてください」というような、そして「これ美味しいね」という会話が生まれるような、そんな“都度感”を大事なキーワードにしています。お客さんとのコミュニケーションにおいても、がっつり絡みに行くというよりは、お客さん一人ひとりに合わせた気持ちのいい接客を重視。目の前のお客さんがしゃべりたいのか、しゃべりたくないのかに合わせて、接客の温度感も柔軟に変化させ、居心地のいい空間づくり、そしてお客さんの「また来たい」づくりに全力で取り組んでいます。
本当に安くて早くて旨くて接客まで素晴らしいお店は、世の中に「のすけ」しかない!
野毛店は「出口にうんこがあってもまた来たくなるお店」を店舗理念に、最高に楽しい思い出を店内で作ることが出来るお店を目指しています。これは、ファイブグループの大事にしている「また来たい」をつくるうえで、最悪の「また来たくない」を想像した時に、飲み終わった帰りにドアの前にうんこがあったら二度と来ないなと思ったから。極論、それすらもどうでも良くなるくらい、店内で楽しい思い出を作りたい。そんな考えが、この理念が生まれた背景にはあります。
その店舗理念を実現するために意識したことは、「安くて早くて旨い」というブランドコンセプトそのものを愚直に体現することでした。「安い居酒屋」が世の中に数多くあれど、「安くて旨い」居酒屋は世の中を見渡しても限られてきます。さらに「安くて早くて旨くて、接客まで素晴らしいお店」というのは世の中にひとつもない。そんな世の中にない価値にチャレンジしている、そして体現できているのが、野毛店の最大の強みです。もちろん、スタッフ一人ひとりがブランドコンセプトをしっかりと理解していること、そして体現できる能力があることも、野毛店の大きな強みと言えるでしょう。
口コミを意識した「バカだなあ」と思われるお店づくり
野毛店の新規集客戦略は、口コミやSNSがその主なツールになっています。ここをしっかり取れているのが、私達の強みです。この「いいお店のことを広めたい、拡散したい」と思ってもらえるかも、お店の差別化ができるかどうかの大きなポイントだと考えてお店づくりをしています。ちなみに野毛店がどんな口コミによるブランディングを狙っているかというと「バカだなあ」と思われること。
お店に散りばめられているPOPやメニューなどの“絡まれネタ”を見たお客さんが、それを面白がって拡散してくれることを狙っています。もちろん、結果として、メインターゲット層が「お店がうるさかった」「ここがよくなかった」と書いていれば、そこは迅速に改善しなければなりません。口コミやSNSを指標に、柔軟に店舗運営を変化させてきたことも、野毛店が成長し続けている大きな理由です。
飲みに来る人、働く人の双方から「あってよかった」と思われるお店へ
KBN業態では、“流行りの定義とは何か”という考え方があります。流行ってるとは、つまりは愛され続けているということです。だからこそ「このお店は愛されているんだな」ということが、地域の常連さんはもちろん、初めて来たお客さんにも伝わるお店になりたいと考えています。
また、働くスタッフにとっては、野毛店で働いたことによって「自分の人生が豊かになった」「働いていたことが役に立った」と思ってもらえるお店でありたいです。そのためには、これからも、頑張りがしっかり評価される場所であり続けなければいけないと思っています。お客さんにとっても、働いているスタッフにとっても、「あってよかった」と思ってもらえるお店であり続けることが理想です。
ブランドそのもののミッションとしては、店舗理念を薄めることなく、今後は店舗展開をしていきたいと考えています。言い換えるならば、何店舗になっても、スタッフや飲みに来るお客さんが「あってよかった」と思えるお店であり続けるということ。簡単なことではありませんが、私達はこれからも、チャレンジし続けます。【後編に続く】
後半はこちら!!