
『楽しいでつながる世界をつくる』を企業ミッションとして掲げているファイブグループ。このミッションを達成するために、ファイブグループという枠を飛び越えて色んな「楽しい」を学ぼう!ということで、【楽しいのレシピ】では、さまざまな業界・業種で仕事を楽しんでいる人にインタビューを実施!「仕事で楽しさを感じる瞬間は?」「仕事を楽しむために心掛けていることは?」など、対談を通じて、いろいろな“楽しい”のつくりかたや、そのエッセンスに迫ります。
今回インタビューさせていただいたのは、現在、株式会社アプリコット・ベンチャーズで働きながら、本業の傍らでは自身のファッションブランドを運営されるなど、幅広く活躍をされている田島ひかるさんです!
※本インタビュー記事の取材は、2020年4月、ZOOMでのオンライン通話にて行われました。
【プロフィール】
田島 ひかる(株式会社アプリコット・ベンチャーズ)
パーソルキャリア株式会社、株式会社Azit、フリーランスを経て、現職。パーソルキャリア時代より、本業の傍ら、ファッション系メディアの運営や、自身で立ち上げたアパレルブランドの運営などにも携わっている。趣味は、ファッションとバスケとサウナ。
初めて仕事の楽しさを感じたのは、目に見えて成果が出た時
編集部
田島
よろしくお願いします。
編集部
まずは簡単に、これまでのご経歴についてお聞きしてもいいですか?
田島
はい。いまは社会人4年目なんですけど、学生時代にはスペースマーケットというイベントスペースなどの時間貸しをしている会社でインターンをしていて。新卒でパーソルキャリアに入社し、2年間、いわゆる広告営業や人事コンサル的な業務をしていました。その後、Azitという、ドライブシェアアプリを運営している会社に転職し、採用広報を担当。2019年の11月末にはAzitを退職し、2020年の2月くらいまではフリーランスとして5社くらいにお世話になっていました。現在は、アプリコット・ベンチャーズというVC(ベンチャーキャピタル)で働いています。
編集部
ありがとうございます。アプリコット・ベンチャーズさんでは、現在どんな職務を担当されているんでしょう。
田島
現在は、アーリーフェイズのスタートアップ企業への投資事業の領域で、幅広い業務を担当しています。投資先のHR周りのお手伝いもしますし、その他、コミュニティマネージャーとしての業務や、投資先のエンゲージメントのアップに関わる業務などを担当することもありますね。
編集部
とてもお忙しそう……。学生時代からインターンもされていたということですが、もともとベンチャー企業やスタートアップで経験を積みたいという思いが強かったんですか?
田島
いえ。実は、もともと私は、仕事とかビジネスとかにそこまで興味が強いタイプではないんです。それこそ学生時代は、授業中にもSNSをポチポチしてるような学生でした(笑)
編集部
意外です!そう聞くと、なんだか急に親近感が沸きます(笑)
田島
友達がスペースマーケットで先に働いていたので、「一緒にやろうよ」って誘われて、「じゃあやろっかな」くらいのテンションで始めたのが最初のインターンなんです。私自身、就活とかはあんまりしたくなかったので、インターンだったら、社会人とのつながりもできるし、社会勉強もできるし、ついでにお金ももらえるし、「だったらやるしかなくない?」みたいな感じで(笑)
編集部
ちなみに、それまでにもアルバイトなどはされていたんですか?
田島
普通にアルバイトもしてました。あとは、インスタで服を売ったりもしてましたね。
編集部
インスタで服を売る?
田島
もともとファッションが大好きなので、SNSで古着の話などをしていて。最初はメルカリで服の販売をしていたんですけど、メルカリはプラットフォームなので、手数料とかで抜けるお金が多くて、「なんだかなあ」と思っちゃったんです。それなら、インスタで自分のプラットフォームをつくって、中間マージンを小さくしたほうが利益も上がるかなと。だから、まずはインスタのフォロワー数を集めて、そこで売ろうって考えました。
編集部
すごく考えられてる!面白いですね。
田島
今考えると、その時のほうがどん欲だったかもしれないですね(笑)
編集部
そんなファッション好きな田島さんですが、新卒ではパーソルキャリアさんに入られているんですよね。いわゆる人材業界で、あんまりファッションとは結びつかない気がするんですけど、なぜパーソルキャリアさんを選ばれたんですか?
田島
パーソルを選んだのも、実はファッション軸なんですよ。というのも、パーソルキャリアは当時、「クリーデンス」というファッション業界に特化したエージェントを唯一持っていたんです。そこに入れば、ファッション界隈の方々とつながりも持てたりするので、私自身、最初はそのクリーデンスに入りたくてパーソルに入社した経緯があります。
編集部
なるほど!でも、パーソルキャリアさんは大企業ですし、希望の部署に配属されるとは限らない気も……。
田島
そうなんですよ。実際に、新卒はなかなか配属されない部署みたいで。私は「異動ですぐに行けるよ」と言われて、「じゃあ後から異動すればいいか」くらいに考えて入社しちゃいました(笑)
編集部
その後、「クリーデンス」を運営する部署に異動されたんですか?
田島
いえ。結局は、求人広告の営業や人事コンサルの仕事が思いのほか楽しくなっちゃって、異動しなかったんです。
編集部
そうだったんですね!いま、まさに今回のインタビューの趣旨でもある「楽しい」というキーワードが出ました。田島さんの中で、仕事を楽しいと感じたのは、どんな瞬間だったんですか?
田島
最初はとても単純で、目に見えて成果が出始めた時ですね。成果が出るようになったことで、会社に表彰もしてもらえるし、インセンティブももらえるし、じゃあ次も頑張ろうみたいに、いいサイクルが続くようになったんです。それが1年目の楽しさでした。
編集部
なるほど。ちなみに、いま「1年目の楽しさ」とおっしゃっていましたが、2年目はまた違う楽しさを感じられていたんですか?
田島
1年目である程度の成果を残したことで、2年目は前年度よりもいいチームに配属してもらえたんです。そこのチームでは、大手企業を相手に人事コンサル的に入っていく仕事をさせてもらったんですが、その頃からは、単純な成果よりも、組織そのものを考えることが楽しくなっていきました。
編集部
年次を重ねることで、成果や報酬よりも、仕事そのものが楽しくなっていったんですね。
自分を理解すれば、やりたいことで仕事を選べる
田島
2年目頃からは、私自身、プライベートと仕事との境目が薄くなっていく感覚がありました。普段から、自然と仕事のことを考えちゃうし、「私この仕事好きかも」みたいな(笑)。言い換えるなら、自己理解が進んだ感じですかね?
編集部
なるほど、自己理解。ちなみに田島さんは、これまでに仕事をしてきてつらいなあって感じることはなかったですか?
田島
1~2年目でいえば、楽しいとつらいは半々くらいでしたね。上司がスパルタだったとかはありましたけど、業務内容的なつらさはほとんど無くて。むしろ、自分の成果が出ない時のほうがつらかったです。あとは、仕事をする中で、新しいインプットがない状態になるとつらかったりとか……。
編集部
新しいインプットがない状態?
田島
仕事では、新しいアイデアを生み出していかないといけないことも多くあるので、インプットが無ければ、結局新しいものも生み出すことができないんです。なので、仕事の中にインプットがあって、それが新しいものをつくる時に合わさった時、私は特に楽しさを感じます。
編集部
そういった田島さんの中での仕事の楽しさは、転職後や、現在のお仕事でも同様ですか?
田島
もちろん今も楽しいんですが、楽しさでいえば、Azit時代がピークだったかなと思います。もともと求人広告の営業をしていたので、Azitで自社の採用広報などをするようになって、景色が逆転したというのがひとつ。もうひとつは、その頃から、クライアントワークよりも、社内メンバーなどの身近で一緒に働く人たちのエンゲージメントを高めるほうが、個人的にモチベーションが上がるんだってことに気が付けたのが大きかったですね。
編集部
なるほど。ちなみに、田島さんのように、さまざまなフィールドで仕事の楽しさを見つけている方がいる一方で、やはり仕事に対して、つらい部分のほうが多いとか、後ろ向きな気持ちで向き合っている人も多いとは思うんです。田島さんは、仕事を楽しむために、日頃から大切にしていることは何かありますか?
田島
いくつかありますね。ひとつは、自分がどんな時に、どんなことに対して、嬉しいとか楽しいと感じているかを理解するということ。というのも、実は私、内省というか、振り返りをすることがめちゃくちゃ好きなんです。ドキュメントに、自分のこととかキャリアのことをまとめてるんですよ。こういう感じなんですけど……。
※田島さんが実際に使用されているドキュメントファイルより抜粋
編集部
すごい!この内容は、都度アップデートしていっているものなんですか?
田島
そんな高頻度ではアップデートしていないんですけど、何かの節目とか、それこそ転職をするときなどには棚卸をキチンとするようにしています。
編集部
結構なページ数がありますね……。なんだか投資家資料みたいです。
田島
(笑)。今のものはつい最近、2020年に入ってから書いた内容ですね。これを普段からちゃんと見るようにして、自分はどんな風に仕事をしたいんだっけとか、言語かできないメンタリティとかスタンスも決めるようにしてるんですよ。
編集部
まさに、先ほどのお話にも出た「自己理解」ですね。
田島
そうですね。自己理解をしっかりした上で、自分のやりたいことをベースに仕事を選んでいるので、そりゃ楽しいよねって感じです(笑)
編集部
なるほど。自分を理解して、自分が何を楽しいと思うかを先に定義づけしていれば、おのずと仕事も楽しくできると。……いや、でもほんとうにすごい。ここまでまとめられているなんて。
田島
暇だったんですよ(笑)
編集部
いやいや(笑)。ぜひ、後ほどじっくり読ませていただきます。
経験や感情から、楽しさやキャリアは形成されていく
編集部
他にもいろいろとお聞きしたいんですが、お時間が迫ってきてしまいました……。最後に、いま仕事の楽しみ方やキャリアの探し方に迷っている方々に対して、田島さんからアドバイスやメッセージをいただけますか?
田島
はい。それこそ、さっきの棚卸の話に戻ってしまうんですが、仕事の中で、自分が何を楽しいと思うか、楽しいと思った瞬間、何でそれを楽しいと感じるのかを理解できているかどうかが重要だと思うんです。
編集部
今日、お話を伺って、本当にその通りだなと思いました。
田島
もちろん、お金が必要だとか、いろいろな軸でその仕事をせざるを得ないという事情はあるかもしれませんが、一方で、仕事って人生でずっとしていくものなので、精神的な安定や、好きなことをやっていけるかどうかも、私は大事にしていいんじゃないかなと思っています。
編集部
それこそ、今は副業だったり、パラレルキャリアで稼ぐこともできる時代ですもんね。
田島
そうですね。本業こそ好きなことをやって、足りないお金を副業でまかなうという考え方でもいいのかなと。そのためにも、いろいろな外の世界だったり、自分の楽しめる領域だったりを知って、そこから可能性を広げていくことは大切かもしれません。
編集部
確かに、ついつい今置かれている状況を自分の人生の中心だと思っちゃいますけど、一歩外を見て見ると、全然違う世界があったりしますよね。
田島
結局は、何事もやってみないとわからないと思うんです。私自身、いま働いているVCも初めて飛び込んだ世界ですし、キャリアという意味では、自己理解のもと、目の前にある選択肢からやりたいことを選んでいけば、そこから自然と可能性は広がっていくものだと思いますね。
編集部
考えすぎなくてもいいんじゃないか、と。
田島
はい。自分のドキュメントにも書いてるんですけど、キャリアとか未来とかって、正直そんなに読めるものではないというか。まずはやってみることで、そこで得た経験とか感情から、楽しさやキャリアって形成されていくと思うんです。なので、まずはやっぱり自分のことを知る、そして目の前のことを大事にしてみて、そこから選んでいくのがいいと思います。
編集部
なるほど。とても説得力があります。
田島
もちろん一方で、今の会社が好きなら、ムリに広げるということはしなくていいと思います。ただ、少しでもモヤモヤするとか、もっと楽しい世界があるかもって思うのであれば、ちょっと外の世界を覗いてみるのはいいきっかけになるんじゃないですかね。
編集部
そういえば、田島さんは普段からお仕事もバリバリされていて、ファッションもそうだし、趣味のバスケなどもされているじゃないですか。お忙しい中で、どうやって自分の時間を管理されているんですか?
田島
う~ん。無限にやりたいことはあるので、そこは線引きの問題だと思います。たとえば、普段バスケは2時間くらいするんですけど、2時間バスケを楽しむ以外にも、そこで人のネットワークを広げるとか、プラスアルファの良さを見つけることはできると思うので、やることに対して、そこにどれだけ自分へのリターンがあるかを見定めて、「今日はこれくらいやろう」ってなんとなく決めるのが大事かもしれないですね。
編集部
ちなみに、ファイブグループのような飲食業で働くスタッフたちは、普段仕事が忙しくて、なかなかお店以外でのコミュニティ作りも難しく、外の情報が入ってきにくいところがある気がしていて。そういった部分で、何かアドバイスいただけることってありますか?
田島
そうですね。外に出るとかってなると、やっぱりアクションが伴ってきちゃうので、まずはオンライン上でやれることをやってみるだけでもいいと思います。ゲームして遊びたいなって時間を、少しリサーチにあててみるとか。
編集部
当然といえば当然ですが、そこにはやはり意志がしっかりと必要なんですね。
田島
言い換えるならば、仕事を楽しむためには、それなりの努力も必要ということだと思います。自分の怠惰との戦いみたいなところもあるので、我慢すべきところは我慢して、時間配分を考えるって感じですね。
編集部
なるほど。ありがとうございます。……といったところで、残念ですがお時間が来てしまったようです。貴重なお話やアドバイスの数々、本当にありがとうございました!今回の対談のように、ファイブグループ以外の方とお話する機会はなかなか無いので、とても勉強になりましたし、楽しかったです。
田島
こちらこそありがとうございました!こういった対談記事などを通じて、自分も仕事を楽しめそうとか、ちょっと外の世界も見てみようかなって思ってもらえたら、私も嬉しいです。
初めまして!本日はどうぞよろしくお願いします。