• facebook
  • Twitter
  • instagram

2019年4月1日

ひととき ______  第一話  “武蔵野市吉祥寺 “ 満開のつくね

 

 

海外に行くと恋しくなるのは醤油や
だしの味付け、違う国にいるのに
生まれた土地の匂いや味は
体に染み付いている。

不思議だ。

今日はなにを食べよう。

 

________

 

 

 

昨日は同期のバディが
退職した日。

子どもたちの守り神のように、
ふんわりとしたブランケットで
毎日包み込むように
子どもと対峙している彼女

彼女が天使ならば私は悪魔だ。

日に日に口答えが増えるこどもたち
しかも、私にだけだ。 悪魔だけに、だ。

そしてそのこどもたちはふわりと巣立った。
悪魔の手からやっと解放だ。

十人十色
千差万別

解答用紙にひらがなで書いてくる中3も、
書けても意味を聞くと首をひねる小6も、
本当にみんな違ったなあ、 かわいかった。

彼女が一番、感じているとおもう。

それぞれの生まれた地も育った国も
見てきた空の色も、浮かぶ雲、
形を尋ねても答えは1つではきっとない。

日本の母なる味は
醤油であると感じるように、
オリーブオイルの香りを漂わせることが
文化であるとするスペインで、
10年そこら生きてきたこどももいたんだった。

 

 

__________________

 

 

 

 

 

 

就業時間をフライング気味に出た私たちは

今晩は

「 吉祥寺っ子居酒屋 旨串とりとん 」

 

井之頭線に乗ってやってきた。

私のおすすめだ。同期の彼女の門出を祝うのだ。

1杯目 梅梅酎ハイ。

つくねを注文し、いくつかおすすめをいただくことにした。

「みんなぜんぜん違うね〜〜」

烏龍茶の彼女、
お酒が弱い彼女だがいつも居酒屋でも
笑顔で参加する。優しい天使だ。

悪魔も、爪の垢を煎じていただきたい天使だ。

ハイボールと梅梅酎ハイを手に持つ
私たち2人と彼女。

3人の目が合った。
頰がほんのり色づきはじめていた。

同じ年に入社した3人で肉を囲み
ハイボールと梅梅酎ハイとウーロン茶

みんな違った。
酎ハイの氷がからんと、鳴った。

2杯目の音。

それからはというもの

おんな特有の恋愛相談やら恋愛相談やら
恋愛相談やらを卒なくこなした。

ここで1つだけ言いたい。
はっきりと思い出した。

 

 

 

 

 

とりとんのつくねは非常識に大きい。

 

今回は恋愛相談の花が満開だったので、
店員さんが気を利かせてくれたようだが、
ととでは、つぼみとしてはいっちょ前すぎるつくねを
目の前でステーキのように切ってくれる。肉汁満開だ。

1度目で虜になった。

虜。

相手のことを考えて考えて潜り込むように
心情を読み取る天使の彼女

私が思う彼の気持ちは所詮自己中心的、
やりたいならやりなさい、放任主義な彼女

ごめんねは消し去って
ありがとうの押し売り、気ままな彼女

みんな違う。 おもしろい。 おんなって。
生きてきた土地って。そらって。

大きい。つくねって。

 

 

 

 

 

 

3杯目の梅梅酎ハイ

最後の酎ハイにしよう。明日もきっと飲むから。

見るとうめぼしが3個。
今日の空気が詰まったグラスに店員さんがそのまま
注ぎ足してくれている。酸っぱい。でも贅沢だ。

あっという間の時間
改札で泣きそうな彼女を
2人して急かすように見送った。

 

 

オワリ

____________________________

 

 

 

 

◇吉祥寺っ子居酒屋 とりとん

東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-1 井の頭ビル B1F

◇アクセス吉祥寺公園口 徒歩7秒
京王井の頭線吉祥寺駅 公園口 徒歩8秒

吉祥寺駅から85m

◇営業時間

月~木・日 17:00~01:00(L.O.24:00) 
金・土・祝前 17:00~05:00(L.O.04:00)

 

 

  • facebook
  • Twitter
  • instagram