
2020年の社員総会において、『21世紀を代表する飲食カンパニーになる』というビジョンを新たに掲げたファイブグループ。そもそも“21世紀を代表する飲食カンパニー”とはどのような存在なのでしょうか。今回は、ファイブグループが展開する各業態の本部長および責任者による座談会を開催。それぞれの考える21世紀を代表する飲食カンパニーの姿、ファイブグループの強みや課題、飲食業界における未来予想図などを語り合ってもらいました。
【出席者一覧(B級グルメ事業本部)】
◆黒澤 貴行
B級グルメ事業本部本部長 兼 定食業態責任者。通称「黒澤さん」。情熱的で新しいこと好き、そして負けず嫌いの牡牛座のA型。B級グルメをその手で育ててきた、入社13年目のファイブの雄の一角。
◆野尻 圭介
パンチョ業態責任者。通称「野尻さん」。ストイックで、冷静な分析が得意な山羊座のO型。飲食業界が長く、経営者も経験!パンチョ愛ゆえにファイブに飛び込んだ入社4年目のパンチョ大王。
◆福田 幸洋
価値創り研究所責任者。通称「ふくちゃん」。アクシデントに強く、社交的でムードメーカーになれる天秤座のA型。ファイブのB級グルメのブランドを全て経験してきた入社7年目。
◆木戸口 教子
カフェ業態責任者。通称「のりちゃん」。母性本能に溢れ、情の深い蟹座のO型。有名コーヒーチェーンで10年以上マネジメントを経験し、ファイブ初のカフェ領域参入で仲間入りした入社2年目。
ファイブグループの成長を支えてきたもの
野尻
福田
確かに。
黒澤
入社して3~4日目から社長直々に理念の研修があるところとか、他の会社の人にもよく驚かれるよね。
野尻
以前、上場企業にいた時には、今みたいに会社の理念を自分の中で言葉にできる状態になったことがなかったので(笑)。会社として目指す姿や理念が常にぶれないところが、ファイブグループとしての強みというか、成長の一番の土台になっているんじゃないかと改めて感じていますね。
木戸口
言葉として覚えておわりではなく、その後にも常々、理念を意識する機会や、理解する機会が仕事の中に散りばめられていますもんね。
福田
しかも、それを行動指針に至るまで共通言語化できているという。その行動指針にそってさえいれば、自然と理念を体現することにもなるのがすごい。
黒澤
僕もファイブの強みはやはり理念の部分だと思っていて。一言で言えば権限移譲ってことになると思うんだけど、社員やアルバイトさん一人ひとりが何を考えて、何を想って、どうしていきたいのかっていうところをすごく大切にしている。
木戸口
そうですね。実際に、その想いの部分をそれぞれの社員が口にする機会も多いですし。
黒澤
言い換えれば、そこがファイブグループが勝ってきている理由なのかなって。誰かが決めたことをただこなすだけではなくて、自分たちがしたいことや想いっていうのを強く言い続ければ、それを実現できる風土がある。「想いが強いやつが偉い」っていう言葉が社内にあるくらいだから。
福田
その想いがお客さんに届いている業態が成長しているとも言えますよね。
黒澤
本当にそう。想いがお客さんに届いている業態には熱狂的なファンがついているし、そういう方々は、しっかりとそこに価値を感じてくれているんだよね。
黒澤
一方で、個人的に課題に感じている点で言うと、ファイブグループには、新しい可能性を生むチャレンジングな姿勢って言うのがまだまだ足りていないかなと思っていて。
木戸口
これまでのやり方で、会社が順調に成長してきたからこそ。
黒澤
そう。でも、そこにしがみついているだけじゃきっとダメなんだよね。お客さんが価値を感じるものって、ニーズとしてまだ顕在化していないものがいくらでもあるから。そういったところにもアクセスできるような、新しい人がガンガン入ってきて、かき乱してくれるくらいのほうがいいのかもしれない。
福田
僕もそう思います。「飲食業界をよくして行こうよ」じゃなくて、「飲食業界を変えていきましょうよ」くらいの気概のある人に仲間になってほしいな。
野尻
僕も似たような考えは持っていて、新しいものを受け取るのが苦手、過去のものを捨てることができないっていうのは、本当に大きな課題だと思います。
黒澤
今、まさにイノベーションが必要だよね。
野尻
おそらくは現場でも同じようなことが起きている。「もっとこうしたらいいのに」とか、「今のお客さんはこんなことを思ってますよ」とか。そこに対して、「今までうまく行ってたからそのやり方でいい」ってところで思考が止まってしまうのはものすごく危険だなと。
木戸口
ただ、そこを壊していくのってものすごく勇気がいりますよね。
野尻
本当にその通り。
福田
少しベクトルは違うかもしれないんですけど、僕は、チャレンジしないこと自体が悪いとは思ってないんですよ。ただ、なぜそのチャレンジが必要なのかということを考えない人がいることはダメだと思っています。それがお客さんのニーズだとしたら、考えないってやっぱりズルいし、僕らのやるべきことをやっていないってことだと思うので。
黒澤
確かに。
福田
だから、なぜそれが必要なのかということをしっかり考えて、必要性を感じたんだったら、それはチャレンジじゃなくてやらなきゃいけないことになるし、やるべきだと思うんです。やるべきことをやるのが一流で、やりたいことをやるのが二流って言葉もあるくらいですから。
黒澤
まあ俺は、やるべきこともやりたいことも、両方やるのが一流だと思うけどね(笑)
福田
え!そんな急に突き放してきます!?(笑)
「21世紀を代表する飲食カンパニー」とは
黒澤
個人的には、熱狂的なファンであるお客さんたちがたくさんいて、従業員としても、そのお店で働くことが本当に楽しい状態っていうのが、21世紀を代表する会社なんじゃないかなと思ってる。
野尻
大前提、世間の皆さんが知っているってことですよね。
黒澤
そう。皆がそのお店の良さを知っていて、勝手にお客さん同士の口コミでその評判が広まってしまうくらいの状態。そうなれば、もう21世紀どころじゃなくて、ずっと代表できる存在になれるんじゃないかな。
木戸口
熱狂的なファンづくりができるかどうかっていうのは、本当に大事だと思います。
黒澤
それって、ファイブグループの業態力や想いの強さを考えれば、きっとそこまで難しいことじゃないと思うんだよね。
野尻
うんうん。
福田
僕は、黒澤さんの言葉にも近いんですけど、時代のニーズを一番満たせる会社が、21世紀を代表する企業であると思ってます。時代のニーズをくみ取れるというか、時代の流れに乗るというか。それは、お客さんという意味でも、働く人という意味でも同じですね。
野尻
僕たちだけが楽しさを追求しているだけでは成り立たないし、お客さんたちだけの楽しいを追求しているだけでもダメだと。
福田
そう。いろんな方向のニーズをつかんで、それを実現するってことが、21世紀を代表する……というよりも、時代を作っていける会社なんじゃないかなって思います。
木戸口
時代を作る会社は、時代のニーズを捉えられる会社ってことですね。
黒澤
今までの話にも要素は出てきてたけど、結局、僕らの仕事は感情をつくることだから。飲食業やサービス業って、「楽しい」とか「嬉しい」とか「ありがとう」っていう感情を一番作れるかってところで、業界をリードしなきゃいけないと思うんだよね。
木戸口
私個人としては、21世紀を代表する飲食カンパニーという視点から言うと、そのブランド自体や商品もそうなんですけど、いちばん差別化ができるのはやっぱり人の部分だと思ってます。
黒澤
そうだね。
木戸口
なので、人を通じて、感動や楽しさっていうのを商品と共にお客さんに届けられる会社というのが、21世紀を代表する飲食カンパニーのひとつの姿なんじゃないかなと。
福田
人っていう部分で言うと、ファイブがもっと自己実現できる会社になればいいなと思ってるんですよ。それは個性の活きる会社という意味でもあるんですけど。
野尻
どういうこと?
福田
つまり、その人の輝けるポイントを、どれだけファイブグループが伸ばしてあげられるか。本心ではみんな、自分の良いところをもっと伸ばしたいとか、楽しく働きたいとか、自分の輝ける場所が欲しいって必ず思ってるから。
黒澤
なるほど。そのために、どういう働き方をしたらいいのかってことだよね。
福田
そうです。そういった話もできる仲間たちが集まれば、結果として「楽しい」でつながる世界も作れるし、そんな世界を作れる、21世紀を代表する飲食カンパニーになれるんじゃないかと思います。
これからのファイブグループ
野尻
ここまでの話にもあった通り、やっぱり個々人の想いの熱量が大きくて、それが集まっているっていうのが、ファイブグループの一番良いところ。そういう意味では、その強みを最大限生かしていくってことがさらなる会社の成長にもつながると思うし、これからも、そういう想いの熱量を持った人、それを表に出せる人に仲間になってほしいですよね。
黒澤
そうだね。それに加えて、新しい価値を会社に落とし込んでくれる人が来てくれたらいいなと思う。もちろん、これまでの勝ちパターンを磨くという作業もとても大事だから、その両軸でやっていける人がいいかな。
木戸口
個人的には、何かやろうよってなった時に、できない理由よりもできる理由を一緒に一生懸命考えて、「それ面白そうですね」って言える人だと、きっと活躍できると思います。
福田
“一緒に”っていうのが、すごく大切なキーワードだよね。一緒になって作っていってくれる人、一緒になって考えてくれる人っていうのが、今のファイブにはもっと必要。
黒澤
もちろん、ファイブグループにはこれまでに積み上げてきたノウハウがあるから、それを学ぶことが新しい仲間にとっても新たな発見になることは間違いない。その一方で、ファイブグループに新しい風を吹かせてくれて、今まで僕たちが気づきもしなかったようなチャレンジが生まれてくれたら、もっと面白いことがたくさんできる気がするよね。
野尻
ファイブグループとして、新しくできることは間違いなくまだまだありますね。
黒澤
例えばだけど、23もの業態を持っていることがファイブグループの強みのひとつだから、これからは食のヒットメーカーとして、さらに新しい食文化を創っていくってこともできるんじゃないかな。
福田
ナポリタンやローストビーフの新しい食べ方の提案がまさにそれですね。
黒澤
そういった部分が、まさにB級グルメ事業部の強みでもある。もちろん、今ある業態だけじゃなくて、他の食べ物に関してチャレンジしていったっていい。そういう新しい価値をお客さんに提供し続けられる会社として、飲食業界を引っ張っていける存在になりたいよね。そこにはファイブグループとしての大きな自負があると言っていいはず。
福田
あとは、今あるブランドをどれだけ磨き上げられるのかっていうところもすごくポイントだなと思っています。言葉で言うと「本物になる」ってことなんですけど。今日もちょうど、黒澤さんとその話でめちゃくちゃ盛り上がりましたよね。
黒澤
そうだね。
福田
例えば、お米とか、みそ汁とかに、お客さんが驚くほどにはまだこだわれてないよねって。ゴールはないけど、そこにこだわり抜いた時、本当に価値あるものが提供できる会社になれるんじゃないかなって。
野尻
なるほど。ブランドを磨き続けて、「本物」になるってことね。
福田
そう。その上で、僕らの努力がお客さんにしっかり伝わるようなブランド作りをしていかないと、きっとすぐに時代から置いていかれて、お客さんから見向きもされない業態になってしまう可能性がある。
木戸口
ゴールはなくても、そこを常に追い求め続ける、「本物」を追求し続ける必要があると。
福田
そうじゃないと、21世紀を代表する飲食カンパニーになんかなれないだろうし、逆にそこにこだわり抜いていければ、それこそ100~200年続く企業というステージにも進めるんじゃないかな。
黒澤
将来的には、「あの業態もあの業態も全部ファイブグループじゃん」みたいな、皆が行きたくなるお店が全部ファイブグループみたいになれば素晴らしいよね。あとは、飲食業界に対してそのノウハウを全面的に提供できるようになれたらいいかな。
木戸口
業界のアドバイザー的な存在ですね。
黒澤
そうそう。ファイブが飲食業界の見本になるというか、そういう会社であれたらいいなって。
木戸口
それこそ、「その業態はこういう風にしたほうがもっとお客さん喜びますよ」くらいのことをやってもいいのかも。
黒澤
「ファイブのお店はこうやってますよ」みたいなね。
福田
個人的には、ファイブのやってるブランドが、お客さんにとって無くてはならない存在になれてることがひとつの理想だと思います。ラーメン食べるならあそこだよね、牛丼食べるならあそこだよね、みたいに。
黒澤
なるほどね。
福田
そういう風に、本当に愛されるようなブランドになれたら、それは「本物」になった証でもあると思うので。
野尻
そうだね。
福田
正直、そういう意味では、会社の成長そのものを店舗数だけでは測れないところもありますよね。
木戸口
店舗がたくさんほしいってお客さんが望めば店舗数を増やすし、一店舗しかあってほしくないってお客さんが願うなら、一店舗だけでいいってことですよね。
福田
そうそう。でも、きっとファイブのお店は、近い将来1000店舗くらいにはなってるんじゃないですか?
野尻
お!
福田
ほら、やっぱり愛されちゃってるからさ☆
黒澤
……。
野尻
……。
木戸口
……。
福田
ごめんなさい、今の要らなかったです……。
黒澤
(笑)。どっち?「1000店舗」が要らなかった?「愛されちゃって」が要らなかった?
福田
両方要らなかったです……。
野尻
あ~あ、調子乗っちゃったね(笑)
僕はファイブグループに入って4年目ですけど、いろいろな会社を渡り歩いてきた中でも、ファイブはやはり企業理念の体現度というか、浸透度がとにかくすごい会社だなと思ってる。