
2020年の社員総会において、『21世紀を代表する飲食カンパニーになる』というビジョンを新たに掲げたファイブグループ。そもそも“21世紀を代表する飲食カンパニー”とはどのような存在なのでしょうか。今回は、ファイブグループが展開する各業態の本部長および責任者による座談会を開催。それぞれの考える21世紀を代表する飲食カンパニーの姿、ファイブグループの強みや課題、飲食業界における未来予想図などを語り合ってもらいました。
(こちらの取材は2020年2月に実施されました)
【出席者一覧(居酒屋事業本部)】
◆中島 俊介
FC業態部長。通称「しゅんさん」。身内を守り、面倒見のいい蟹座のA型。ほぼ創業期から参加している入社15年目のファイブ古参。
◆小林 克也
居酒屋事業本部特任本部長(こいくる業態)。通称「かっつん」。芯が強く、物事は慎重に進める牡牛座のO型。外食他社から中途入社10年目。
◆荒川 宏幸
とりとん業態責任者。通称「チュンさん」。博愛主義で独創的な世界観を持つ水瓶座のA型。アルバイトからブランド責任者まで駆け上がった入社13年目の生粋ファイブ人。
◆一戸 邦光
居酒屋事業本部本部長 兼 ペコリ業態責任者。通称「いちのへさん、のへさん」。責任感が強く勤勉BOSSタイプな獅子座のB型。外食他社から料理人としてスカウトされ入社13年目。
◆利根川 拓也
MJfan業態部長。通称「タクちゃん」。フッ軽な冒険家で貪欲に学ぶ射手座のA型。実はファイブの新卒入社1人目の入社10年目。
ファイブグループの成長を支えてきたもの
中島
利根川
「楽しい」っていう核の部分ですよね。
中島
そう。これだけの規模の会社になってくると利益優先になりがちだけど、それよりもずっとコアの部分を大切にしているというか。それは本当に変わらない。
小林
今の話にも繋がる部分だと、やっぱり、そこに付随して楽しく働ける環境があるところが強いんだよね。働き方に余白があるっていうのがデカい。
荒川
多少のルールはあっても、お客さんにどう喜んでもらえるかっていうのを自分で考えられるぶん、自分の営業が支持されている実感が沸くというか。
小林
そうそう。会社として最優先にしているのもその部分で、お客さんから支持されているかされていないかが重要。結局、評価される人もそういう人。だからこそ、一人ひとりのスタッフがシンプルにお客さんに向き合える環境がある。
一戸
僕も今まで何社かやってきた中で、ファイブグループが一番、自分でやることを推奨する会社だなと思ってて。ある程度のルールしかない中で、自由度がとにかく高い。むしろ何もないぶん、自分で決めていけるっていう部分が、自分自身もすごくハマったなと思ってる。
中島
だからこそ、やっていくうちに「もっとこうしたい」っていう気持ちも生まれてくるんですよね。
利根川
それに加えて、会社として、「楽しむことが正解」っていうハンコを押してもらえてますからね。もちろん、そこには自己責任という要素が入り込んでくるけど、「お客さんを楽しませていればいいよね」みたいな。
一戸
そういう意味では、ファイブで働いている人たちは、おそらく今までの自分とはちょっと違う自分を発見できてるんじゃないかなって思うよ。
小林
あとはまあ、全社的に仲がいいっていうところもファイブの良いところかな?ほら、ウチの会社って、役職で呼ばれてるのは二人しかいないですから。
一戸
二人?
小林
社長とカカリチョウ。
中島
カカリチョウは社員のあだ名じゃん!(笑)
小林
そうですっけ?(笑)。まあ、僕もほとんどの社員から「かっつん」って呼ばれてるし、改まったところで突然、「小林本部長」とかって呼ばれると恥ずかしいくらい(笑)
一戸
むしろ、呼ばれても気づかないまであるよね。
中島
いや、一戸さんは普通に「一戸さん」とか「のへさん」って呼ばれてるじゃないですか!(笑)
利根川
一方で、自由度が高いからこそ、その部分に甘えちゃう人も多いよなっていうのを最近は感じていて。プロフェッショナルとして、自分をしっかりと追い込むことが苦手な人とか。
中島
自己責任なぶん、そこに対してチクチク言うような上司がいないんだよね。
利根川
自己責任だし、いつか自分に返ってくるってことを上司の立場の人たちはわかっているから。時には、社員同士の些細ないざこざも出てきたりしますけどね。
小林
「誰と誰がどう」とか。
利根川
そうそう。そんなこと、お客さんにとっては全然関係ないことだよねって。結局、自由度が高いってことは、その環境の中でセルフマネジメントを厳しくできなきゃいけないってことでもある。
一戸
そういう部分で言うと、やっぱり、最近は諦めるのが早い人が多い気もする。特に、人と人との関係性づくりに厳しさを持つのが苦手なスタッフが多いのかなって。「そこは間違ってるよ」とか、「できてないよ」って伝えられない人が多いんじゃないかな。
荒川
そうですよね。
一戸
「こういうお店を作りたい」っていう目標に対して、一丸となって向かわなければならないのがチームのはずなのに、そこに対して全員が貪欲にアプローチできていないっていうのは、ひとつの課題かもしれない。
荒川
少しつながる部分があるかもしれないんですけど、一人ひとりが「こうしたい」とか、「こう変えたい」っていうリクエストを、もっともっと発信していいと思っていて。
小林
確かに。受け身でいちゃうと楽しめないのになあ。
荒川
これだけ会社の規模が大きくなってきちゃうと、ついて回ってくることなんでしょうけれども。
小林
仕事の自由な部分を全然使いこなせてないんだよね。会社から言われたことに対して、「こういう風にしておけばいいんですよね」で止まってしまうのが本当にもったいない。例えば、しゅんさんとかの仕事を見ていて、「しゅんさんに従っていればいいや」じゃなくて、「俺はしゅんさんを飛び越えていってやる」くらいの気概がある人が欲しい。
中島
そういえば、ファイブグループが今の規模になっていない時とかは、販促とかで「会社全体でこうしましょう」ってなった時に、「あ、ウチの店はやらないです」って普通に断ってたよね(笑)
利根川
俺まさにそうでした。「そんなものは店長の俺が決める」みたいな(笑)。もちろん、ただやらないじゃなくて、断るからにはそれ以上のことを何かしてやろうってことっすけど。
荒川
当然、何もやらないってのはナシでしたよね。
利根川
結局は、会社が大きくなってきて、もともとファイブの持っていた勝ちパターンのひとつだった個人店の強みとチェーンの強みを両方やるっていうことの難易度が上がってきてるのかなと。
中島
だから、今足りないなって思うのはまさにそういうところ。お店やサービスに対する細部までのこだわりっていうのが、店舗が増えるごとに薄れてしまいがちなことだよね。
小林
今入社してくる人たちは、それこそルールもフォーマットも全部用意されている状態だから。悪い言い方をすれば、意志を持ってなくても仕事ができてしまう。今は、いい意味でも悪い意味でも手を差し伸べられてしまうからね。
一戸
だから、昔のほうが店長の人は疲弊してたかも(笑)
利根川
自分しかなんとかできる人がいなかったですから。一人ひとりの店長が、尋常じゃないこだわりを持ってお店を見ていたんですよね。
「21世紀を代表する飲食カンパニー」とは
小林
これまでの話にもちょっとつながるんですけど、僕自身、やっぱり入社した時のほうが、ファイブグループは革新的な飲食企業だなって思ってたんですよ。
荒川
どういうことですか?
小林
スタッフ全員が主体的に動いていて、そのうえで成果も出して。しかも、それをルールに縛られない各店が生み出してるっていう。
中島
なるほどね。
小林
だからこそ、売り上げ100億円を超えた今の規模になっても、当時のような各店の店長や店舗自体がみんな自立している状態をつくれれば、やっぱり他の飲食企業とは一線を画す会社になれるんじゃないかなと思うんですよ。
荒川
今は、悪い意味で一般的な飲食企業に近づいていってしまってる部分も…。
小林
そうそう。
利根川
確かにそれはめちゃくちゃ感じるっすね。主体性の塊のような会社の姿を取り戻していきたいな。
一戸
もちろん、しょうがない部分もあるにはあるけど、小規模だったころの勢いが懐かしくなる時もあるよね。さっき、かっつ……小林本部長が言ってたような……
中島
やっぱり言いなれてないじゃないですか!(笑)
一戸
僕も考え方はかっつんと近くて。本当に、個人の自立っていう部分が、21世紀を代表する飲食カンパニーを名乗るうえでは欠かせない要素だと思う。なぜなら、その主体性を持っている人たちこそが、お店ないしは会社を引っ張っていく存在だから。それは今も昔も変わらない。まあ、ここにいる人たちが全員店長で、もし自分がブランドディレクターだったら、本当にイヤだと思うけど(笑)
利根川
言うこと聞かないから(笑)
一戸
でも、あの成長期の、やたら店舗も店長もアルバイトさんも元気が有り余ってた状態をもう一度つくりたいよね。
荒川
繰り返しにはなっちゃいますけど、会社としてのルールやフォーマットが整ってきたことによって、力を入れるところや意識するところがそこにフォーカスされちゃってるんですよね。
一戸
やっぱり規模の問題かな。
利根川
そうですね。自由ってことは自由でいられるための責任と覚悟が必要ってことを、改めて全員が意識しないと。そのうえで結果が伴っていれば、自由ってことですから。
中島
さっき一戸さんが言ってたみたいに、自立した個の集合体であるべきっていうのは本当に必要不可欠だよね。
利根川
あとは結局、ファイブグループとしてお客さんや世の中に対して貢献できる部分って、いいお店をつくる以外に無いから。シンプルに、競合他社と勝負するという意味でも、その数や認知度っていうところが、21世紀を代表できているかできていないかだと俺は思う。
荒川
お客さんの支持率ってことだよね。
利根川
そうそう。
中島
メディアに何も打たずとも、口コミで全国区に知名度が広がっていったら、それこそ21世紀を代表してるって言えるかもしれないね。
これからのファイブグループ
一戸
これから先にその支持率を高めていくって考えると、やっぱり店長や社員1人1人がやらされ仕事をするんじゃなくて、自分たちの意志で価値を生み出していかなきゃいけないと思う。そのためだったら、時には会社からの意見に反対したっていいと思うし。
小林
そうですよね。それ以上に「こっちのほうが絶対にいい!これをやってみる!」って言える人を増やさないと、会社はどんどん丸くなっていってしまう。
中島
ある種の原点回帰のようなものが、ファイブグループにも必要な時が来ているのかもしれないね。
利根川
確かに。それこそ、5店舗とか10店舗だった時代のファイブグループの尖り方を今の会社の規模でできれば、それはきっとものすごいことになるっすね。
小林
そうだね。
利根川
結局やることは一緒であって。目の前のお客さんをいかに楽しませるかに集中するってこと。
中島
そうそう。そこに全店の全メンバーが注力できれば、きっともっといい会社になると思う。
荒川
そのためにも、1人1人の「もっとこうしたい」「もっと喜んでほしい」っていうのが必須。結局それが、自分で考える力だったり、主体性だったりにつながりますからね。
中島
本人として尖ってるつもりがなくても、それが結果として周りから見るといい意味の尖り方になっていくよね。
小林
飲食店自体が正解もゴールもない中で、そこに無理やり正解を与えようとする必要は無くて。そういう意味では、僕も、原点回帰すればいいんじゃないかと思います。
利根川
原点回帰っていっても、それをこの規模になった会社で実現するためにはどういう取り組みが必要だろうとか、そのベストアンサーを会社としてもっと探り続けていく必要を感じるのが今。
一戸
そうだね。そもそも、ものすごく本質的で難しいことをしようとしている会社ではあるから。
中島
それこそが、ファイブグループがこの世に存在する意味でもあるっていう。
利根川
本当にその通り。その目指しているところが実現できないんだとしたら、21世紀を代表する飲食カンパニーどころか、会社の存在意義自体が無くなってしまう。でも、そこに挑戦し続けている企業であるってことが、今のファイブグループを形づくっている一番の要素でもありますね。
一戸
今までの話を踏まえて、これからファイブグループの仲間になってほしい人物像っていうと、どんな人が当てはまると思う?
中島
う~ん。「尖ってる人」とか「チャレンジャー」とか言っても、それはまた違う人が来ちゃう気がするなあ(笑)
利根川
結局のところ、「ファイブグループでこんなことがしたい」っていう想いや意志がある人がいいと思うんですよ。その内容はなんだってよくて。
小林
あとは、ファイブのお店に実際に行ってみて、今日の対談の内容とかも見てみて、それで共感したり、何か感じたものがあったりした人だったら、きっとファイブはめちゃくちゃ楽しい会社だと思う。
荒川
確かに。やりたいことがあれば、いくらでも声をあげられる環境ですもんね。
小林
そうそう。同じ価値観のもとで、「こういうことがやりたい」「こういうお店がやりたい」「こういう風にお客さんを喜ばせたい」ってことが言える人だったら、いくらでもチャンスはある会社だから。
僕は今日ここにいる人の中で一番古いけど、やっぱりファイブグループの強みは、企業としてのスタンスがぶれないことだと思う。