
人が困っていることが仕事になる
ファイブグループが展開する、大盛りB級グルメのお店「吉祥寺どんぶり」。ここには【デカ盛り】タルタル唐揚げ丼という目玉商品があります。通常の唐揚げの3倍はあろうかという大きさの唐揚げが4つと、たっぷりのタルタルソースが乗って、なんとお値段690円。なぜこのボリュームをこの価格で提供することにしたのでしょうか。この商品をはじめとして、ファイブグループが提供する商品やサービスの根底には共通するスタンスがあるのです。
勝手に作りたいものを作っても、商売にはなりません
商売とは「需要」と「供給」のバランスで成り立っていると言われています。これはビジネスの原理原則として、誰もが知っていること。私はビジネスにおいて大切なのは需要をつくり出している「ニーズ」だと考えています。お客様のニーズを無視し、作りたいものだけを作っていては、ビジネスにならないのです。
お客さんが困っていることを解決するのが私たちの仕事です
「大盛り」を頼むと一般的には追加料金がかかります。実は、原価率を計算すると「並盛り」よりも粗利率が高いので、「大盛り」の注文はお店にとっては嬉しいんです。でも「本当にお腹いっぱい食べたい人」は、場合によっては「並盛り」2杯分くらいのお金を払ってお腹を満たしていることになります。コストがかかると困っている大食いさんがたくさんいるでしょう。せっかくお店に来てくれたのであれば、「並盛り」くらいの値段で大食いさんでもお腹いっぱいになれるような商品を提供したいーーそう考えて「吉祥寺どんぶり」の安くてボリューミーな丼たちが生まれたのです。
自分たちの力でなんとかしたい!と思って生まれた仕事は必ず必要とされます
「お客さんが困っていることをそっちのけで、目の前の作業に没頭する」 いけないこととはわかりつつも、やってしまうことがあるのではないでしょうか。でもそれは「仕事」ではないんです。仕事の本質は「お客さんのお困りごとを解決する」ことだから。その困りごとを自分たちでなんとかしたい!と思えた時、本当の意味での「仕事」が生まれるのです。
お客さんを楽しませることが自分の楽しさになっている状態が理想です
「お客さんを楽しませなければならない」というと、自分を犠牲にして疲弊する姿を想像するかもしれません。でも果たしてそうでしょうか。お客さんのことをとことん考えた結果、「もっとこんな風にしたい!」「こんなことにチャレンジしたい!」という前向きな想いが生まれてきたら、それは「自分の楽しさになっている」状態。これが、仕事でチャレンジするということなのだと思います。
ありがたいことに、ファイブグループの各店舗は繁盛しています。これはお客さんのニーズに応えられているからだと思っています。僕は商品開発だけでなく業態そのものやサービス、接客の仕方などを考える時も「お客さんが困っていることは何か」を継続したスタンスとして持っています。安い居酒屋チェーンはたくさんあるけれど、通り一辺倒のサービスでは楽しくない。逆に言えばそこにお客さんのニーズが隠れています。今日に満足することなく、明日のお客さんの困りごとを解決していく、そんな会社であり続けたいですね。